ご存知ですか?非居住者等に支払う際の源泉徴収の謝りやすい事例

最近は、大企業でなくても外国法人等との取引も少なくありません。
雇用による給与支払等、その際注意しなければいけないことについて、国税庁より謝りやすい事例が発表されていますのでご紹介致します。

非居住者や外国法人(以下「非居住者等」といいます。)に対して、源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」を支払う場合には、その支払の際に所得税を源泉徴収しなければならない場合があります。

国内源泉所得」とは、次のものを言います。

①国内において行う事業又は国内にある資産の保有・運用
若しくは譲渡により生ずる所得
(源泉徴収の対象外)

②国内において民法に規定する組合契約等に基づいて行う
事業から生ずる利益で、その組合契約に基づいて配分を
受けるもののうち一定のもの

③国内の土地、土地の上に存する権利、建物及び建物の
附属設備又は構築物の譲渡による対価

④国内で人的役務の提供を事業とする者の、その人的役務
の提供に係る対価
例えば、映画俳優、音楽家等の芸能人、職業運動家、
弁護士、公認会計士等の自由職業者又は科学技術、
経営管理等の専門的知識や技能を持つ人の役務を
提供したことによる対価がそれに当たります。

⑤国内にある不動産や不動産の上に存する権利等の貸付け
により受け取る対価

⑥日本の国債、地方債、内国法人の発行した社債の利子、
平成20年5月1日以後外国法人が発行する債券の利子のうち
一定のもの、国内の営業所に預けられた預貯金の利子等

⑦内国法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、
剰余金の分配等

⑧国内で業務を行う者に貸し付けた貸付金の利子で
国内業務に係るもの

⑨国内で業務を行う者から受ける工業所有権等の使用料、
又はその譲渡の対価、著作権の使用料又はその譲渡の対価、
機械装置等の使用料で国内業務に係るもの

⑩非居住者に対する国内での勤務に対する給料等、賞与、
退職手当、人的役務の提供に対する報酬や公的年金等

⑪国内で行う事業の広告宣伝のための賞金品

⑫国内にある営業所等を通じて締結した年金保険契約に
基づく年金等

⑬国内にある営業所が受け入れた定期預金の給付補てん金等

⑭国内において事業を行う者に対する出資につき、
匿名組合契約等に基づく利益の分配

また、「非居住者」とは、以下の様に定義されています。

◆国内法による取扱い

日本の所得税法では、「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。
「住所」は、「個人の生活の本拠」をいい、「生活の本拠」かどうかは「客観的事実によって判定する」ことになります。
したがって、「住所」は、その人の生活の中心がどこかで判定されます。
ある人の滞在地が2か国以上にわたる場合に、その住所がどこにあるかを判定するためには、職務内容や契約等を基に「住所の推定」を行うことになります。
「居所」は、「その人の生活の本拠ではないが、その人が現実に居住している場所」とされています。
法人については、本店所在地主義により、内国法人又は外国法人の判定が行われます。

◆租税条約による取扱い

租税条約では、日本と異なる規定を置いている国との二重課税を防止するため、個人、法人を含めた居住者の判定方法を定めています。
具体的には、それぞれの租税条約によらなければなりませんが、一般的には、次の順序で居住者かどうかを判定します。
個人については、「恒久的住居」、「利害関係の中心的場所」、「常用の住居」そして「国籍」の順に考えて、どちらの国の「居住者」となるかを決めます。
法人については、相手国が管理支配地主義を採用している場合には、本店所在地主義と競合することになり、双方居住者の問題が生じますが、その場合には、その法人を実質的に管理する場所のある国の「居住者」とみなすことになります。

上記のような取引において、非居住者等に何らかの支払をする場合には、まずその対価が源泉徴収の対象となる「国内源泉所得」に該当するかを確認する必要があります。
その中でも、非居住者等に支払う際の源泉徴収で、謝りやすい事例をご紹介します。

土地等の対価

非居住者等から、日本国内にある土地や建物等の不動産を取得した場合、その対価を支払う際に、所得税を源泉徴収しなければなりません。
(注) 個人が、自己又はその親族の居住の用に供するために取得した土地等で、その土地等の対価の額が1億円以下である場合は、その個人が支払うものについては源泉徴収をする必要はありません。(法人が取得して対価を支払う場合には、1億円以下であっても源泉徴収をしなければなりません。)

不動産の賃借料等

非居住者等から、日本国内にある土地や建物等の不動産を借りる場合、その賃借料を支払う際に、所得税を源泉徴収しなければなりません。
(注)個人が、自己又はその親族の居住の用に供するために
土地や家屋を借りる場合に支払うものについては
源泉徴収をする必要はありません。
(法人が借りて賃借料を支払う場合には、
源泉徴収をしなければなりません。)

工業所有権や著作権等の使用料等

国内において業務を行う者が、非居住者等に支払う、工業所有権や著作権等の使用料又はそれらの取得の対価のうち、その国内業務に係るものを支払う際には、所得税を源泉徴収しなければなりません。

給与等の人的役務の提供に対する報酬等

非居住者に支払う給与その他の人的役務の提供に対する報酬のうち、国内において行った勤務その他の人的役務の提供に対するものを支払う際には、所得税を源泉徴収しなければなりません。

(注)非居住者等の居住地国と我が国との間で租税条約が締結
されている場合には、その租税条約の定めるところにより
課税が軽減または免除され、源泉徴収が不要となる場合
などがあります。
(そのための手続きなど、詳しくは
当事務所又は最寄りの税務署にお尋ねください。)

〒640-8386 和歌山県和歌山市畑屋敷雁木丁21番地
宮脇合同事務所<税理士事務所> (電話 073-431-5241)

 

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